2013年6月8日土曜日

【お知らせ】南極星にも連載を開始

インドネシア・ジャカルタで発刊されている日本語情報誌『南極星』。この6月号から「スラバヤからインドネシアを見る」という表題で、短いエッセイの連載を開始した。最新号は、下記よりPDFでダウンロードが可能。

 南極星6月号

現在、筆者が連載中のインドネシアでの日本語媒体は、『アピマガジン』『ニュースネットアジア』『さらさ』『じゃかるた新聞』『南極星』の5つ。スラバヤをテーマにするものが3本あり、書き分けに工夫が必要になっている。しんどいが、またそれも楽しい。

2013年6月7日金曜日

スラバヤの新交通システム計画

ジャカルタでは地下鉄(MRT)建設がいよいよ始まりそうだが、スラバヤでも新交通システムの導入、すなわちモノレールと路面電車の導入へ向けて動き始めた。

スラバヤに来て感じたことの一つは、320万人もの人口を抱えた大都市にもかかわらず、バスや乗合などの公共交通機関が極めて脆弱なことである。もちろん、乗合は何路線もあり、ジョヨボヨ・ターミナルというものもある。しかし、ジャカルタのビスコタ、メトロミニ、コパジャ、ミクロレットのような頻繁に走っている公共交通がほとんどない。バイクと自家用車が圧倒的である。

でも、スラバヤはもともと公共交通機関のあった街なのである。オランダ時代の1925年頃から1975年頃まで、蒸気で走る路面電車と電気で走る路面電車が走っていた。 料金は当時の額で3セン、オート三輪が25セン、タクシーが50センだったという。路面電車はバスに取って代わられた。しかし、そのバスも廃れて、本数が少なくなった。

スラバヤ市の道路延長距離は1426キロメートルで、個人所有二輪車・自動車の台数は2008年の140万9360台から2011年には699万3413台へ急増した。ところが、その一方で、バスの台数は250台から167台へ、乗合の数も5233台から4139台へと大幅に減少している。

当然、道路の渋滞は激しくなってくる。5年以内に、スラバヤの渋滞はジャカルタ並みになるという見方が強い。

そこで、スラバヤ市は、モノレールと路面電車を組み合わせたMRTを導入し、2015年に運転を開始したい意向である。両者の概要は以下の通りである。

<モノレール>(SUROTREM)
延長距離:16.7km
操車場駅:Joyoboyo
停車駅数:29
駅間距離:500-1,000m
年間予想利用客:2793万6900人
投資額:1.2兆ルピア
1車両当たりの最大乗客数:200人
車両編成:2両連結
経済的な料金:8,000-10,000ルピア
住民の支払可能額:6,000-10,000ルピア
車両数:21台

<路面電車>(BOYORAIL)
延長距離:23km
操車場駅:Kenjeren, Joyoboyo
停車駅数:23
駅間距離:500-2,000m
年間予想利用客:4371万7742人
投資額:8.5兆ルピア
1車両当たりの最大乗客数:400人
車両編成:4両連結
経済的な料金:37,000-40,000ルピア
住民の支払可能額:6,000-10,000ルピア
車両数:18台

予想されるのは、建設工事により渋滞がよりひどくなる、ということである。また、公共交通期間に乗り慣れていない人々が、果たして整然と乗り降りできるだろうか、という点も懸念材料である。

そもそも、民間が資金を出さなければ実現しない話だが、本当に資金を出す民間が出てくるのだろうか。実現できたらいいけれど、そう簡単ではないだろう。スラバヤと同時期にモノレール導入を予定していたマカッサル市は最近、計画の延期を発表している。

スラバヤのモノレールと路面電車については、友人のブログに詳しい情報が載っているので、そちらも参照して欲しい。

 スラバヤのトラム(市内電車)のお話 その1
 スラバヤのトラム(市内電車)のお話 その2
 スラバヤのトラム(市内電車)のお話 その3
 スラバヤのトラム(市内電車)のお話 その4
 スラバヤのトラム(市内電車)のお話 その5
 スラバヤにもモノレールだって!!

(参考)TEMPO, 2 Juni 2013.

2013年6月5日水曜日

【お知らせ】インドネシアウォッチなど講演会

年に2回、半年ごとにインドネシアの政治経済の現状分析を行う「インドネシアウォッチ講演会」を開催していますが、今のところ、以下を予定しています。

 ジャカルタ:7月3日(水)16:30〜18:30、JACスカイビジネスセンター
 スラバヤ:7月後半

なお、シンガポールでも7月9日(火)午後、JACシンガポールにて講演会を予定しています。

国際収支や為替軟化など、昨年までとは様相が変わり始めた経済状況をどう捉えるか。2014年総選挙・大統領選挙を控えて、政治の動きが経済にどのような影響を与えてくるのか。投資先としてのインドネシア経済はまだ安泰なのか。

これらの問いに、現状での答えを出すべく、講演会の準備を進めています。参加希望・お問い合わせは、「講演会(ジャカルタ)」「講演会(スラバヤ)」「講演会(シンガポール)」と明記のうえ、matsui@jac-bc.co.idまでお寄せください。

上記以外に、以下でも講演を予定しています。

 東京:7月11日(木)日経BPインドネシアビジネス基礎講座
 広島:7月17日(水)ひろしま産業振興機構講演会
 福山:7月18日(木)ひろしま産業振興機構講演会

7月8〜9日はシンガポール、7月10〜20日は日本、に滞在の予定です。シンガポール、日本にて、インドネシア・ビジネスに関する個別相談をお受けしますので、ご興味のある方は、matsui@jac-bc.co.idまでご連絡ください。


2013年6月2日日曜日

ハイ・アンド・ロー

昨日(6月1日)は、久々にブログ更新やインドネシア語ブログの開設など、けっこう前向きにハイな気分でいられたが、今日は逆に、一気にローな気分で落ち込んでしまった。

友人と楽しく昼食をした後、買い物をし、路上でタクシーを待っていた。ちょっと疲れを感じてボーッと立っているところに、1台の乗合バス(コパジャ)が私の前に停まった。なぜか分からないが、私はコパジャに乗るそぶりをした。判断力が希薄だったのかもしれない。

その時、私の前に誰かが立ち、ふわっと私の肩掛けカバンが上に舞い上がった。そして気が付くと、カバンの左ポケットに入れてあったはずの愛用のデジカメ(リコーCX3)がなくなっていた。コパジャのコンダクターは、「向こうに逃げて行ったやつがいる」と後ろを指差したが、ボーッとした私にはなんだかよく分からない。誰かがいたようには見えなかった。コパジャは走り去っていった。

コパジャのコンダクターが盗んだのではないか。我に返ってよく考えると、おそらくそうなのだ。コパジャの中にデジカメがまだあったかもしれなかった。でも、それを追いかける気力は沸いてこなかった。怒りを感じるよりも、へなへなと茫然自失の状態になった。

幸い、隣のポケットに入れてあった携帯電話も、その他の財布もパスポートもすべて無事だった。

リコーCX3はいいカメラだった。とくに、マクロ撮影に優れていて多用した。でも、このカメラはインドネシアで売られていないし、チャージャーもないし、説明は日本語にしてあるから、きっと、盗人の役に立たずに、捨てられてしまうのだろう。これを運命と受け入れてしまう私は、相当にインドネシア化しているといっていいのだろうか。

数日前のワークショップで撮った参加者との記念写真も、今日の昼食で食べた料理の写真も、すべて消えてしまったのが残念である。昨日は、デジカメを持たずに夕食に出かけたので、今日は持っていこう、と確認して出発したのが、リコーCX3との別れとなってしまった。

何となく、今日はやばいのではないか、と感じていた。そういう時に限って何かが起こるのだ。そう、過去もそうだった。

土日も休まずに、原稿を書き続けたこの数ヵ月、休暇らしい休暇を取っていないし、原稿の締切が次から次に来る生活では、休むわけにもいかない。そういう生活にしたのは自分自身だから、もちろん自己責任。今日の事件は、自業自得というしかない。

楽あれば苦あり。自分がうまくいって得意になっているときほど、細心の注意を払わなければならないのだ。

自分の恥をさらすような話を書いている自分にも嫌気がさすが、ともかく、書かないと何となく落ち着かない気分になってしまったので、こうして恥をさらしてしまった。不愉快な気分にさせてしまったとしたら、大変に申し訳ない。


【お知らせ】スラバヤで日系企業で働くインドネシア人向けワークショップ(6/12)

日系企業で働くインドネシア人スタッフ向けのワークショップは、昨年からジャカルタで開催してきましたが、スラバヤでも、下記の通り、実施することとなりました。

と き: 2013年6月12日(水)10~17時
ところ: Fave Hotel MEX Surabaya (Jl. Pregolan 1-5, Surabaya 60262)
    http://www.favehotels.com/hotellist/eng/13/favehotel-mex-surabaya/local 
講 師:松井和久(JACスラバヤ、シニアアドバイザー)
定 員:30名(定員になり次第、締め切らせていただきます)
参加費:Rp. 800,000+VAT10%(昼食代を含む)

インドネシア人中間管理職・マネージャーを対象に、日本の企業文化の背景や基礎を理解し、日系企業内でのコミュニケーション能力を高めるためのディスカッション・ワークショップです。

まず、参加者のコミュニケーションをめぐる経験をシェアした後、暗黙知をキーワードに、報連相、5S、カイゼンなどを取り上げながら、日本の企業文化の基礎や背景に説明します。その後、参加者の経験をもとにしたロール・プレイを作り、それを演じながら、参加者間の討論や経験交流を通じて、日本人経営者・管理者とより親密なコミュニケーションを実現するための改善提案とアクション・プランを作成します。

<お申し込み方法>
下記をご記入のうえ、メールにて matsui@jac-bc.co.id までお申し込みください。
1)    会社名 2) 参加者名・役職 3) 参加者のメールアドレス 4) 参加者の携帯電話番号

スラバヤでは今回が初めての開催となります。スラバヤ周辺の日系企業の皆様、
御社のスタッフをこの機会に参加させてみてはいかがでしょうか。

多数のご参加をお待ちしております。

なお、ジャカルタでは明日6月3日(月)の後、7月2日(火)にも開催の予定です。

よろしくお願い申し上げます。

2013年6月1日土曜日

インドネシア語版のマイ・ブログ

本日6月1日より、本ブログに加えて、インドネシア語での個人ブログを書き始めた。以前から、インドネシア人の友人に「インドネシア語でブログを書かないのか?」と言われていたこともある。

もっとも、2009年まではインドネシア語ブログ「Kabar dari Daeng KM」というのを書いていた。しかし、長い間、休眠状態となっていた。今回、改めてインドネシア語版ブログを書いてみようと思った次第である。

インドネシア語版新ブログは以下のとおりである。まだ1本、自己紹介しか書いていない。

  Indonesia Campur

Campurというのは、インドネシア語で「混ざる」「混じる」の意味。沖縄料理のチャンプルーや、長崎のチャンポンと同じ意味の言葉である。

インドネシア政治・経済・社会、日本との関係、自分なりに出会った面白いこと、などを自由に、私なりの考えやコメントを付け加えながら、インドネシアの知人・友人たちに投げかけていきたいと思っている。

さっそく、インドネシアの友人たちが「読むよー」と言ってくれている。どんな反応があるか、楽しみである。

インドネシアの人々へ日本を伝える、ということも一つの役目と考えている。日本語での発信に加えて、インドネシア語でも発信していく。

ブログに加えて様々な媒体への原稿執筆で、1週間、毎日締切という状態になるかもしれないが、これも私なりの使命と心得て、チャレンジしていきたい(今日は、1時間ほど昼寝したせいか、ずいぶんと元気になった)。

「笑うな。黙れ」の日本イメージ

人間の本性というのは、意識的に隠すことはできても、無意識に表れてしまうものである。日本という国がいくらよいイメージを作れたとしても、国際会議の場での個人の無意識の態度によって、日本という国の本当の姿が露わになってしまうことになる。

国際会議の場で「笑うな。黙れ」と言った日本人の外交官は、日本という国を背負っていることを忘れたのか、あるいは相当重荷に感じていたのか。下記を参照されたい。

  ‐ 日本の刑事司法は『中世』か

または、無意識のうちに、日本は上、アフリカの小国なんぞは下、という個人の持つ差別意識が思わず無意識のうちに出てしまったのか。相手への尊敬があったのだろうか。

3月にジャカルタで出席した国際会議で、日本の外務省の方がインドネシアとのパートナーシップについて話をされた際に、日本が黒子役となって、一緒に調和のとれた新しいアジア社会を作っていきたいという趣旨のことを発言されていた。韓国や中国の代表が「教えてあげる」という上から目線だったこともあり、「日本は一皮むけて円熟した」と思った。新しい日本のアジア外交が始まる兆候さえ感じた。

それだけに、「笑うな。黙れ」はとても残念でならない。

でも、それは、国際会議での当の日本人外交官個人に帰せられる問題だろうか。

私自身、これまでにそういうことが一度もなかったかといえば自信がない。

たとえば、ずっと昔に、インドネシア語がまだよく話せず、いつもインドネシアの方々に笑われ、間違いを指摘されるたびに、自信をなくしたものだった。とくに小さな子供に笑われたときに、爆発しそうになった。

あるいは、25年以上前、ビザの手続がうまく進まなくて、役所の間違いで誤った書類が国家情報庁へ送られてしまったとき、ビザが更新できないことを恐れて役所へ窮状を訴えた際、笑いながら適当にあしらわれ、怒ってしまったことがあった。

今でも、イライラして、ちょっとしたことで笑われると、ムカッと来ることがないわけではない。

インドネシアの人たちの笑いには、純粋な笑いとともに、自分の不備や能力不足を恥じるのを隠す笑いがある。場が悪いので笑ってごまかす、という感じに近い。硬い頭の自分がそれに対して怒ってしまうのは、その時の自分にゆとりがないからだ、と後で気づくのである。

日本国を代表する外交官の傲慢な態度は、日本という国のイメージをよりよくしようとしている人々への冷水である。しかし、我々外国に住む者もまた、広い意味での「外交官」といってもいいかもしれない。

外交官だけでなく「外交官」の日頃の振る舞いが蓄積されて、日本という国の姿やイメージが残っていくのだろう。もちろん、日本の前に、地球上に生きる一人間としての個々人があるわけだが。

また今日から、「笑うな。黙れ」の日本イメージを払しょくすべく、微力ではあるが、ゆとりをもって接していきたい。