このことろ、スラバヤで、豚肉を食べないムスリムのインドネシア人を対象にしたラーメン店が相次いでオープンしている。10月4日、5日と連続して、それらの店に行ってラーメンを食べてみた。その様子は、以下の食べものブログに書いた。
【スラバヤ】インドネシア人向けラーメン店の熱い戦い
日本からラーメン店が進出する場合、人口の9割近くがイスラム教徒であるインドネシアで成功するのかという疑問が当初出されていた。実際には、とんこつ味を前面に打ち出すラーメン店が繁盛しているという結果が出ている。非ムスリムの華人系にターゲットを絞り、彼らをリピーターとして足繁く通わせることで、マーケットを確立したのである。
そして、インドネシアでのラーメン店の展開は第2段階に入り、ムスリムが食べられるラーメンをどう提供するかがチャレンジとなってきた。インドネシアでは、インドミーをはじめとするハラールのインスタント麺が広く深く浸透し、麺を食べる文化はしっかり根づいている。
もっとも、麺の食べ方は種族によって一様ではない。華人系はもちろん、日本人のように麺として独立に食べる。ジャワのナシ・ラメスでは、ご飯の上に麺が乗って出てくる。麺はご飯のおかずなのである。スラバヤの中華小食堂でナシゴレン・ジャワを頼むと、なかに麺が入っていたりする。スラウェシの農村に泊まって朝食をいただいた際にも、ご飯にインドミーをかけて食べたことがある。ジャカルタにはソト・ミーというのがあり、ソト・アヤムのなかに麺が入る。
今のところ、ラーメンは一般のミー・アヤムとは違ったものとして認識されている様子である。しかし、我々がラーメンの残りスープにご飯を入れたりするように、ラーメンがインドネシアに受容されるにつれて、ラーメンとご飯との新たな関係が生まれてくる可能性がある。スラバヤや東ジャワでは、ソト・アヤムやラウォンに最初からご飯が入った形で出されることも多いので、ラーメンライスは一般化するのではないかという気がする。
まずは、ラーメンは日本から来たラーメンそのものとして食されるだろう。そして、ディンタイフォンの小籠包のように、豚肉を使わず鶏肉だけでどこまで味をよくできるかが追求されることになろう。さらに、インドネシア人自身がラーメンを独自にうまく受容していく段階に至るかもしれない。
日本でも、様々なラーメンの展開型が現れている。たとえば、筆者も大好きな「太陽のトマト麺」は、ラーメンとイタリアンが出会うとどうなるかを工夫したものであり、麺を食べた後のトマトベースの濃厚スープにご飯を入れる「ラアリゾ」を考案している。余談だが、8月に台北で「太陽のトマト麺」の支店に出くわした。
ラーメンがインドネシアにどう定着していくのか、楽しみになってきた。
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